たとえば以下のようなことが予防にあたります。
歯周病の「予防」と「治療」は違います
多くの方が「歯周病になったら歯医者に行けばいい」と思っているかもしれません。しかし、歯周病は予防と治療でやるべきことが大きく異なる病気です。
予防とは?
まだ歯周病になっていない、あるいはごく初期の段階で、病気を進行させないようにするためのケアです。
正しい歯みがきの習慣づけ
定期的な歯科検診
歯石の除去(スケーリング)
食生活や生活習慣の改善
つまり、「歯周病にならないように守る」のが予防です。
治療とは?
歯ぐきが腫れていたり、出血や口臭があったりする場合、それはすでに歯周病が進行しているサインかもしれません。
このような状態では、すでに進んでしまった病気を止め、できるだけ健康な状態に戻すことが治療の目的になります。
歯周ポケットの深い部分のクリーニング(SRP)
歯周外科治療
必要に応じた再評価とメンテナンス
「壊れてしまった組織を修復する」のが治療です。
なぜ「予防」が大切なのか?
歯周病は、初期のうちは自覚症状がほとんどありません。気づかないうちに進行し、気づいたときには歯がグラグラになってしまうことも。
だからこそ、予防がとても重要なのです。
予防をしっかり行っていれば、将来の治療のリスクや負担を大きく減らすことができます。
当院では「予防」と「治療」の両方に力を入れています
歯周病専門医として、患者さん一人ひとりの状態に合わせて、予防から治療、そしてその後の管理(メンテナンス)までをトータルでサポートしています。
ご自身の歯とお口の健康を守るために、まずはお気軽にご相談ください。
歯周病の「予防」と「治療」は本質的に異なります
歯周病は、成人の約8割が何らかの症状を持っているとされる、ごく一般的な病気です。しかし、その対応には大きく分けて「予防」と「治療」の2つのアプローチがあり、それぞれ目的も方法も異なります。
◆ 予防:歯周病を「発症・進行させない」ためのケア
予防とは、まだ明らかな歯周病の症状が出ていない段階で、歯肉や歯槽骨(歯を支える骨)の健康を維持することを目的とした管理です。
たとえば以下のような対策が該当します:
歯垢・歯石の定期的な除去(スケーリング)
正しいブラッシング指導
咬み合わせや生活習慣(喫煙・糖尿病など)のリスク評価と改善
定期的な歯周組織のチェック(歯周ポケットの測定・出血の有無)
これらの予防処置は、「病気にならないための医療」、つまり未病(みびょう)への対応といえるでしょう。
◆ 治療:すでに進行した歯周病に対する専門的アプローチ
歯周病が進行すると、歯肉の炎症だけでなく、歯槽骨の吸収(溶けること)が始まります。
この段階になると、専門的な治療を通じて進行を食い止め、可能な限り組織を回復させることが目的となります。
主な治療内容には:
ルートプレーニング(歯周ポケット内の歯根表面の清掃)
歯周外科手術(フラップ手術・再生療法など)
動揺歯への対応(固定処置や咬合調整)
治療後の再評価とメインテナンス
治療は、すでに生体組織にダメージがある状態での「修復医療」です。完全に元通りに戻すことが難しい場合も多く、早期の対応が鍵となります。
なぜ「予防」が特に重要なのか?
歯周病は慢性疾患です。高血圧や糖尿病と同じように、症状が出にくく、知らないうちに進行します。そして、一度失われた骨や歯肉は、完全に元には戻りません。
つまり、「悪くなってから治す」よりも、「悪くならないように保つ」ことの方が、身体的にも金銭的にも大きなメリットがあります。
とくに中高年の方は、加齢とともに歯周組織の抵抗力が低下してくるため、より計画的な予防管理が必要になります。
歯周病専門医として、あなたに合った最善の選択を
当院では、日本歯周病学会認定の歯周病専門医が、個々のリスクに応じたパーソナライズドな予防・治療計画をご提案しています。
ご自身の歯を少しでも長く健康に保つために、まずは現在の状態を正しく把握するところから始めてみませんか?
[健康な歯ぐき]
↓(プラークの蓄積・清掃不良)
[歯肉炎]
※この段階なら「予防」で回復可能
↓(歯石沈着・炎症の慢性化)
[軽度歯周炎]
※歯周ポケットが3〜4mmに拡大
→ 初期治療が必要
↓(歯槽骨の吸収が進行)
[中等度歯周炎]
→ スケーリング・ルートプレーニング、場合によって外科治療
↓(重度骨吸収・動揺・咀嚼障害)
[重度歯周炎]
→ 歯周外科治療、場合によって抜歯、再生療法検討
【歯ぐきの状態チェック】
歯ぐきが腫れている? ────▶ はい ─▶ 治療が必要(歯周病進行の可能性あり)
│
└─▶ いいえ ──▶ 出血する? ───▶ はい ─▶ 初期症状。専門的クリーニング・予防処置を
│
└─▶ いいえ ─▶ 良好な状態。定期検診・予防管理を継続